エレクトロスモッグシンポジウム

エレクトロスモッグ(電磁波公害)について知識を深め、対策を紹介していきます。

【症例】電磁波過敏症となったいきさつと電磁波公害について

Wrote by Ishiguro 

 

電磁波過敏症、二児の母です。

 

夏に電磁波過敏症を発症して以来何もかもがあっという間に変わってしまいました。以来大学や医療機関の研究論文を中心に勉強しています。

 

現在の日本では、電磁波過敏についての情報も少なく、公にも認められていないだけでなく、ストレスや精神面での問題として片付けられてしまう現状があります。電磁波の影響を受けたときの特徴として神経症等もあるため、そのように思われがちかもしれませんが、全く質が違います。

 

私の場合はMacBook proがきっかけでした。電磁波過敏症を発症して以来ノートに触ると酷い蕁麻疹と頭痛が出るようになりました。ノートパソコンの場合はとくに、そのスペックや使用状況等により、一歩使い方を間違えると、部屋の配線※や電波状況(Wi-Fiや5G等)や、新しいアダプタであるTYPEーc等の条件が複雑に絡み合い、思いがけない強力な電磁波を発生させたり、知らずのうちに長時間電磁波に暴露されることがあります。私の場合はまさにそれでした。

 

(※オール電化や、例えば浴室乾燥機が付いていて、どの部屋からでもお風呂の温度調整等が出来るような室内では、室内で使われている電子機器の電磁波が壁に反射して室内に籠ることがあります。そうすると、例えば充電中で使っていないノートパソコンが室内にあるだけでも、長時間そこで過ごすことで、徐々に影響を受け続けることになります。)

 

 

当初使っていた最新のiphone13にも酷い蕁麻疹が出る等して反応するようになってしまったため、au窓口の人に相談をしたところ、「おそらくスペックの高い機材に反応しているのだと思います。SE等、古めの機種でホームボタンのあるものはスペックが低く、ホームボタンのないものはそれだけ精密な内容を詰め込んでいるためだと思います」と、具体的にはっきりと説明をしてくださったからでした。(2023年10月現在では、大分何に対して反応していたのかの詳細もわかってきたため、スマホやPC等全ての端末は有線LANを使うことで使用できるようになっています)

 

その時怖いなと思ったのは、企業の窓口の方でもそのような相談のわかる人がいて、聞けばきちんと曇りなく説明をして下さったにもかかわらず、そういったことが適切な情報として全く一般化されていない事でした。

 

電磁波過敏症というと、それなら太陽光やBluetoothもだめじゃないか、と、ちょっといじわるなことを言う人もたまにいますが、紫外線にも強弱があり、当たりすぎれば誰でも皮膚癌のリスクがあるように、電磁波にも強弱があり、物によるし、使った(環境によって晒された)時間によるのです。そしてやっかいなのは、今日本で「規定基準値」とされている数値が、使い方や環境によって簡単に、何倍にも何十倍にもこえていくことです。

 

政府や企業ではそれを管理しきれていないため、まるで事故のように取り返しのつかない健康被害を受ける人達が後をたちません。そしてさらに厄介なのが、世の中の電波の種類が増えるたびに、身近な電子機器がより高性能になるたびに、アースの無い住宅建築の中で、知らないうちに長時間電磁波や高周波に暴露されることになる点です。

 

オフィスビルや商業施設では必ずアースのある環境にしているのは何故か、考えたことがあるでしょうか。それは、電気製品を安全に利用するために必要だからです。ところがこのアース工事、一番長時間過ごすはずの住宅建築には必須となっていません。外国では殆どが住宅建築にもアースを必須としています。それを知らずに多くの人たちがアースのない環境で電気製品を使い、高度な電子機器を使うようになり、見えないところで体調を崩していたりします。

 

昨今では電波に周波数や電子機器の高度化に伴い、アースの無い室内環境で受ける影響等、徐々に体に作用してくるリスクが増えていますが、これを一般人が電磁波の複雑な作用を理解をして気をつける、というのは、なかなかハードルが高いです。本来、そうしたリスク回避をするための説明を公にしていくのが政府や企業の役割ですが、現状ではそのような公式のガイドラインがどこにもありません。

 

電磁波による健康影響は、今や、いつ誰にでも起こりうる事柄です。電磁波問題市民研究会( http://dennjiha.org )の定例会に伺うと、電磁波過敏症者当事者や、ご家族の方々等にお会いできるのですが、ごく普通の生活を送っていた、ごく普通の人達ばかりです。いきなり、何が起きているのかもわからず、奈落の果てに突き落とされるような感じです。

 

また、電波塔問題はもう20年以上も前から問題になっており、2007年には国会でも電磁波過敏症者の健康を守るための請願が出され、議題にされている問題ですが、住民への説明や確認もなく、ある日突然目と鼻の先に電波塔や携帯基地局が設置され、徐々に健康を害していき、人生をかけて購入したマイホームを泣く泣く手放さなければならなくなった方々もいます。

 

 

一度電磁波過敏症になってしまうと、パソコンや携帯が使えなくなってしまう方が多いため、本当に苦しんでいる人達の声はなかなか世の中に届きません。それだけでなく、周囲から理解されにくく、今まではなんともなかった携帯の電波やWi-Fi等でも体調不良を感じるようになってしまうため、周囲からの理解も得られないまま、社会的に孤立していくようになります。

 

でも、本当にそれでいいのでしょうか。

 

気が付かないうちに原因不明の体調不良を繰り返し、本来は80歳まで生きるはずだった人が60歳くらいまでしか生きられなかったとしても、これまでキャリアを重ねて意欲的に仕事に取り組んでいた人が、ある時点から不調を訴え、徐々にその一線からいつのまにかいなくなってしまったとしても、平穏な日常を送っていたほのぼのとした家族が少しづつイライラしていき、少しづつ歯車が狂い、やがて機能不全となってしまったとしても、そのほんとうの原因を、本人さえ気がつくことが出来ないかもしれない。そんな目には見えない公害、それがエレクトロスモッグ(電磁波公害)です。

 

私はこのコラムを通して電磁波依存機器や環境に対して反対をするのではなく、新しい周波数や電子機器等を日常に増やしていくのであれば、その対策も徹底をして欲しい、ということを伝えたいと思います。

 

例えば新築に対する太陽光パネル等の設置義務化について今問題となっていますが、本当に実現させようと言うのであれば、(太陽光パネルでは、パワーコンディショナーからの電磁波で体調不良を訴える方も多いです)せめて居住建築に対する「アース」の義務化も行う等、電磁波対策をセットにした政策にしてほしい。近年新しく導入された5Gは、2023年末までに人口95%をカバーすることを目標にしているようですが、これも、既に電磁波過敏症となっている人にとっては、街中を歩きづらくなるだけでなく、体調を崩していない人にとっても、これまでの何百倍もの基地局が増えることで、思いがけない不調を経験してしまうかもしれない。そこまでして、本当に5Gは必要なのでしょうか。

 

全部をデジタルに依存することを考えるのではなく、人間の波長に限りなく近いアナログの素晴らしさや魅力とも寄り添いながら、デジタルとアナログが程よく共存出来る社会を目指してほしい。

 

便利ばかりが豊かさではないこと、今一度、社会全体で見直してみませんか?